MENU閉じる

研究開発の概要

Research and Development研究開発・実践

テーマとして設定する社会課題

SDGs

SDGs(持続可能な開発目標)の実現に向けて

急速なグローバル化の進展とICT技術の発達によって、社会構造が急速に変化しています。社会の大きな変革としてSociety5.0が訪れようとする昨今、「社会的課題の解決」と「経済的な発展」をいかに平和的・包摂的に解決していくのかが、将来に向けての重要課題です。特に地方においては、急速な人口減少と少子高齢化、地域経済の縮小等が喫緊の課題であり、来たるべき社会を支え、新しい価値を創造でき、世界とつながる若いリーダー人材の育成が急務となります。
本事業では、Society 5.0社会の実現へ向けて、SDGs(持続可能な開発目標)が掲げる17目標の中で、「目標2 飢餓をゼロに」「目標4 質の高い教育をみんなに」「目標5 ジェンダー平等を実現しよう」「目標11 住み続けられるまちづくりを」「目標13 気候変動に具体的な対策を」「目標17 パートナーシップで目標を達成しよう」を中心課題に位置づけ、地域素材から新しい価値を創造し、自律した自覚を持って世界を切り拓くことができるグローバル・リーダー人材の育成を目指します。

閉じる

新たな教科・科目設定及び構造化

新たな教科・科目設定及び構造化

5年間のSGH指定期間中に開発した科目を、
SDGsとグローバル人材育成の観点から内容の精選、拡充、系統化を行います。

SDGs伊豫学(1年必修:2単位)
SGH指定期間中に開発した科目「伊豫学」を、SDGsの観点から整理し直し、複数教科を融合した授業内容へと発展させます。アクティブラーニング形式で授業する中で、論理的な思考力やコミュニケーション能力、協働する力を育みます。教授言語として、そしてレポート課題において英語を使用する授業を部分的に導入します。
SDGs探究Ⅰ(1年必修:2単位)SDGs探究Ⅱ(3年選択:2単位)
SGH指定によって開発した、農業の六次産業化や世界情勢を理解し、地域の課題を発見・探究してきた「地域の産業」を、SDGsの観点から探究型で取り組む科目として拡充、系統化します。
グローバルスタディーズⅠ(2年必修:2単位)グローバススタディーズⅡ(3年選択:2単位)
「グローバルスティーズⅠ」は、全員参加の海外研修の事前事後指導も含め、多文化社会の一員として進んで協働的な関係を築き、多角的な視点から総合的に諸課題について学び、英語によるプレゼンにも挑戦します。
「グローバルスタディーズⅡ」では、海外研修や海外フィールドワークの経験を踏まえ、国際法や国際教育論等、アジア・中東・アフリカ・ラテンアメリカ・ヨーロッパ地域等の内在的な理解と国際関係の諸問題を深く学びます。
課題研究Ⅰ(2年必修:2単位)課題研究Ⅱ(3年選択:2単位)
「課題研究Ⅰ」を2年必修に設定し、3年生を対象に継続研究を目指す「課題研究Ⅱ(選択)」を設定します。「課題研究Ⅰ」終了時には研究のアブストラクトを英語で発信できるレベルを、課題研究Ⅱを受講した3年生については、研究成果の学会発表や論文執筆、政策提案や商品開発等の社会実装を目指します。拠点校は改修に伴いICT環境が大きく改善されており、国内外の生徒との研究交流や大学・国際機関等の専門家によるサイバーメンタリングのモデル開発も進めます。
閉じる

大学教育の先取り履修

  • 大学教育の先取り履修
  • 大学教育の先取り履修

「先取り履修」については、大きく2つあります。

設定科目「リベラル・アーツ」による先取り履修
本校の教育課程の中で、3年生全員を対象とする設定科目「リベラル・アーツ」では、愛媛大学が提供する法文学部、理工学研究科、農学研究科等の教員による大学講義科目を、先取り履修科目(二重単位取得可能科目)」として開講します。大学生が受講する授業に一緒に参加することで、大学の学習内容を体感できます。ほとんどの生徒が単位を取得し、愛媛大学進学者は大学に申請することで単位を認められます。
また、本事業期間中に、SDGsに関する授業科目を含めて継続実施します。その中で、愛媛大学と連携する近隣大学や、国際学術交流協定を交わしていてe-learningプログラムを提供している海外大学等との二重単位についても検討を進めます。
外国語学習に関する先取り履修
加えて、外国語学習に関する先取り履修を拡充する。英語ばかりでなく、管理機関が提供している多様な外国語、ドイツ語、フランス語、中国語、朝鮮語、フィリピノ語の授業を先取り履修の二重単位取得可能科目として整備します。そうした外国語授業は「初修外国語」として大学の5・6時間目に開講されているため、高校生が放課後に参加することは十分に可能です。
閉じる

バランスよく学ぶ教育課程の編成

自分の興味関心や特性に応じて高度な学びを深めるために

拠点校は総合学科であるため、生徒が自分の興味関心や特性に応じて高度な学びを個別最適化して深めることができるよう、2・3年次であっても文理分断することなくクラス編成されます。また、本校での学習活動は、本校が受け入れるアジア高校生架け橋プロジェクトによる留学生のみならず、短期受入の留学生、管理機関である愛媛大学の留学生と協働で体験的に学びます。
大まかに以下の4つのモデル系列が用意されており、その選択科目は多岐にわたり、生徒は系列を越えて授業を選択することができます。

生命科学系列
植物・動物・人間など生命全般に関わる基礎科目として、数学、生物、化学を中心とする普通科目とともに、選択科目として理数・農業等に関する専門科目を学ぶことにより、生物や生命現象に関する基本的な原理・法則について理解を深め、実際的な事柄に当てはめて活用しようとする能力と態度を養います。
物質科学系列
物質に関わる基礎科目として、数学・物理・化学・地学を中心とする普通科目とともに選択科目として理数・工業等に関する専門科目を学ぶことにより、数学・物理等の基本的な法則を習得し、物質に関わる自然現象を科学的に理解する能力と態度を養います。
教養文化系列
外国語や人文学科に関わる基礎科目として、国語・英語・地歴・公民を中心とする普通科目とともに選択科目として英語・情報等に関する専門科目を学び、文学、語学、歴史学等の人文学科とともに、食育や健康に関する基礎的な知識を身につけ、人類の文化を体系的、系統的に理解する能力と態度を養います。
社会文化系列
社会科学や心理学等に関わる基礎科目として、国語・英語・地歴・公民を中心とする普通科目とともに選択科目として英語・家庭・福祉・農業等に関する専門科目を学び、政治、経済等の基礎的な知識を科学的に習得し、人間社会に対して幅広い視野で洞察する能力と態度を養います。
閉じる

工夫された学習活動

  • 工夫された学習活動
  • 工夫された学習活動

イノベーティブなグローバル・リーダー人材の育成のために

本事業を通して、地域素材から新しい価値を創造し、自律した自覚を持って世界の架け橋となることができるイノベーティブなグローバル・リーダー人材を育成するために、特に以下のような工夫された学習活動の実施を計画します。

異学年生徒による協働学習
3年次「課題研究Ⅱ」と2年次「課題研究Ⅰ」、3年次「SDGs探究Ⅱ」と1年次「SDGs探究Ⅰ」において、異学年生徒による協働学習を行います。
外国語での学習成果発信
1年次「SDGs伊豫学」の課題レポート、2年次の「課題研究Ⅰ」発表のアブストラクト、3年次「課題研究Ⅱ」の研究発表については積極的に外国語での作成、発信を行います。「グローバルスタディーズⅠ・Ⅱ」は外国語によるプレゼンも行います。
海外フィールドワークの高大連携
高校生と大学生が一部合同で海外研修・フィールドワークを行うプログラムを開発、実施します。事前指導や事後指導、研修の引率についても大学教員と高校教員が協働で行います。
留学生との学習交流
海外研修やフィールドワーク等において、愛媛大学に留学している留学生の参画を促す。生徒には、愛媛大学が行う留学生を対象とするイベントやボランティアに参加します。留学生と日本人学生協働によるサービスラーニングにも参加を促します。
外国人教育実習生の受け入れ
海外協働機関及び管理機関大学の学術交流協定校と連携し、拠点校において外国人教育実習生を受け入れ、全校的に様々な教科学習を外国人教員が行う体制を整備します。
閉じる

より高度な教育体制のための条件整備

  • より高度な教育体制のための条件整備
  • より高度な教育体制のための条件整備

年齢や文化的背景を越えて、志を共有する仲間と共に学ぶ

世界で活躍できるイノベーティブなグローバル人材を育成するためには、通常の教育課程における正課にとらわれない高度な内容を、年齢や文化的背景を越えて、志を共有する仲間と共に学び、社会に発信していく機会が必要です。そこで本構想では、本校において、以下のような条件を整備しています。

新規設定科目における全学的な大学教員の参画
設定科目「SDGs伊豫学」において、学長をはじめとして全学部等約20名の教員による、自然環境、文化、産業、歴史、科学技術と情報、医療と福祉、教育、国際社会とのつながり等をテーマとした課題発見解決型の授業を実施しています。英語での実施や可能な授業についてはオンデマンド配信し、国内外の事業連携校と共同開講を行う予定です。
海外フィールドワークに係る高大連携の国際化
フィリピン、台湾、米国、オーストラリア、ルーマニア等、様々な海外研修フィールドワークが計画されていますが、単なる文化視察や情報交換会となるのではなく、その国の文化や言語、歴史について学び、課題意識を明確にし、現地で調査やサービスラーニングに参加して、帰国後に省察を行うために、それぞれの海外研修先に関して、その国を研究フィールドとする大学教員をアドバイザーとして配置し、事前・事後指導も含め、プログラム開発に参画させます。フィリピンについては、大学教員と高校教員が引率を行い、高校生と大学生が一部海外合同研修を行っています。本ALネットワークが連携し、高校生向けのオリジナルの海外研修安全ガイドブックを作成し、共有する計画もあります。
課題研究の高大連携の深化
本事業においては、これまで拠点校で3年生において行っていた「課題研究」を、「課題研究Ⅰ」として2年生に設定し、新たに3年生を対象に継続研究を目指す「課題研究Ⅱ」を設定します。従来の課題研究について、管理機関の全学部等から約40名の大学教員が指導者として参画し、高校教員がアドバイザーとして研究をサポートし、グローカルな課題を設定して、探究型の調査・研究を行ってきました。その経験を活かし、2年生終了時には研究のアブストラクトを英語で発信できるレベルを目指します。
また、その発展科目として、本人の希望や適性・能力を踏まえ、「課題研究Ⅱ」の受講を選択します。そこでは、研究成果の学会発表や論文執筆、社会実装を目指します。本校では、校舎が改修を終え、ICT環境の整備が進んでいます。本ALネットワークが連携し、高校生向けの研究倫理マニュアルや評価ルーブリックをオリジナルに作成し、共有します。
大学セミナーや特別講座の開放
管理機関の愛媛大学は、平成31年より、文部科学省の「大学における数理・データサイエンス教育の全国展開」の協力校に認定され、定期的に新領域に関するデータサイエンス教育セミナーを開催しています。また、防災情報研究センターにおいて防災士養成講座、四国遍路・世界の巡礼研究センターにおいて定期的なシンポジウムなども開催されています。こうした管理機関のリソースを活かし、本事業において高校生が参加し、大学生や社会人、一般市民と共に学ぶことできるようにします。
閉じる

留学生の受け入れ及び体制の整備

急拠点校においては、平成21年度より留学生を毎年受け入れてきました。SGH指定5年間の留学生受け入れ実績は長期滞在の留学生が5名。短期受け入れについては53名となります。

  • 留学生の受け入れ及び体制の整備
  • 留学生の受け入れ及び体制の整備

日本人高校生と留学生が一緒に学び、文化適応度の高い教育環境が整っています。

SGH指定5年間を通して、英語科教員ばかりでなく、国語、社会科、数学、理科、体育科、農業科等から延べ40名の教員が海外渡航・研修引率経験を有しており、全校体制として、日本人高校生と留学生が一緒に学び、文化適応度の高い教育環境が整っています。国際協力機構(JICA)青年海外協力隊に参加経験のある教員や日本語教員の資格を持つ教員もいます。加えて、管理機関の国際連携推進機構及び愛媛大学内の日本語学習支援ボランティア「J-support」や大学公認学生ボランティア組織「国際交流コーディネーター(ICO)」と連携し、留学生の日本語サポートや生活サポートを行うことも可能であり、留学生の受け入れに係わる広範な案件にチームとして対応可能な体制が十分に整備されており、その実績も十分です。

  • 留学生の受け入れ及び体制の整備
  • 留学生の受け入れ及び体制の整備

常時的な留学生や外国人教職員の受入体制

また、一昨年度、昨年度と協定校であるフィリピン大学から、外国人教育実習生を受け入れ、英語を教授言語として多数の外国人教員等よって広く教科学習(社会科、理科、数学、英語等)を行う試みを開始しており、本事業を通して制度化を計画しています。加えて、本構想において、本校内に、海外協定校等のサテライトオフィスを設置予定であり、常時的な留学生や教職員の受入体制を整備します。なお、今年度から毎年、「アジア高校生架け橋プロジェクト」による留学生を受け入れる予定です。

閉じる
Page Top