MENU閉じる

News & Topics

2022/02/02

グローバル・スタディーズⅠ「発掘が解明する瀬戸内海の歴史―縄文時代から中世まで―」

令和4年2月2日(水)のグローバル・スタディーズⅠは愛媛大学アジア古代産業考古学研究センターの村上 恭通 先生の「発掘が解明する瀬戸内海の歴史―縄文時代から中世まで―」と題した講義を遠隔で受けました。
しまなみ海道にうかぶ弓削島と佐島を例に挙げ、縄文時代から中世までの発掘調査の結果と考察が紹介されました。弓削島荘は塩の荘園としても知られていますが、実際に中世の地層からは揚浜式塩田の跡が見つかっているそうで、その重要性を再確認しました。また、今治市にある奈良時代の遺跡からは製鉄炉が発見され、四国唯一の例となっています。これは、当時大陸から入手しにくくなっていた鉄の原料が豊富で、森林資源や環境も整っている今治に、国家事業の一環として導入されたためと考えられます。
また、宮ノ浦遺跡の地層については、植物が繁茂して生物が増え、それらの腐敗により有機化が進みクロスナ層を形成したとし、宮ノ浦遺跡が存在した古墳時代開始期は温暖期であったことが示されました。クロスナ層からは製塩土器も出土しています。破壊して中の塩を取り出すため原型をとどめているものは少ないのですが、人が生活していた痕跡がうかがえるものです。最下層の縄文時代の地層からは打製石鏃や中四国内ではあまり例のない撚糸文土器が出土しました。この当時は瀬戸内海は存在しておらず、人々は海を知らなかったことが明らかとなりました。まだ知られていない伊予の歴史が、発掘によって次々と解明されていることを、実例をもって示していただきました。

 

  • 11.住み続けられるまちづくりを
  • 4.質の⾼い教育をみんなに
  • 9.産業と技術⾰新の基盤をつくろう

コメントを投稿する

コメントを投稿するにはログインしてください。

Page Top