令和5年5月15日(月)1年生の「産業社会と人間」は 愛媛大学教育学部の川瀬久美子先生による講義「個人・集団とより良い社会の形成について~細川先生と有機水銀中毒事件から考える~」でした。
「チッソ」熊本工場附属病院長であった細川先生は、誰にでも平等を心がける人物であり、懸命に奇病の解明に取り組みましたが、工場側の思惑、町のほとんどの人が工場と関係するという状況などに阻まれ、工場排水を止めることはできませんでした。結果的に工場廃液は9年間、流され続けました。
このことから、「今、あなたが細川先生と同じ状況におかれたら、どうすれば良いと思いますか?」「集団や社会で決められているルール・政策、集団や社会の風潮によって、力の弱い立場の人や少数の人が、不利益を被っていることはないでしょうか?」という2つの課題について考え、グループで意見を共有しました。一人の男性の半生を手掛かりとして「社会」「集団」「個人」について考え、自分ならどうするかという問いに対し、生徒たちは自分なりの答えを見つけようと考えを深めていました。「誰のことを考えるか?」「何を重視するか?」私たちの人生は判断の連続であり、個人の判断の集合が社会を形成していきます。多数の意見や風潮に流されることなく、「誰にとっても妥当なのか?」を心にとめて、世の中の出来事に関心を持ち、自分の意見を持つことが大事だと理解しました。
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